Strasmore Research
学習 Matt Connor著者: Matt Connor · data as of August 15, 2026 · refreshed weekly

52週安値近辺の低P/E株を探す方法

52週安値からの距離で低P/E株を順位付けします。正確なスクリーニング条件と、該当銘柄がその後も新安値を付ける頻度を確認できます。

52週安値近辺の低P/E株は、二つの異なるスクリーニング条件が交差する銘柄です。一つは過去の利益に対する低い株価収益率、もう一つは一年間の値幅の下限近くにある株価です。以下のスクリーニングでは、両方の条件をコピー可能な数値で示し、安値からの距離で該当銘柄を順位付けしています。各パネルの下にはクエリも表示しています。最初に注意点があります。この方法で作ったリストには、割安株と同じくらい、落ちてくるナイフが含まれます。後半では、その計算方法を説明します。

52週安値近辺の定義

52週安値とは、過去一年間に株価が付けた最安値です。安値からの距離は、直近終値を52週安値で割り、一を引いてパーセンテージで表します。52週安値が50で、終値が55の株価は、安値を10%上回っています。この計算が順位付けのすべてです。値幅そのものについては、52週高値と安値のガイドで詳しく説明しています。

P/Eは、株価を過去12カ月の1株当たり利益で割った数値です。日次比率テーブルstocks_ratiosから取得しています。このテーブルは、配当利回りが最も高い株式のスクリーニングと同じ情報源です。値幅はstocks_daily_aggsから取得しています。銘柄ごと、取引セッションごとに一行あります。

このスクリーニングは、四つの基準で定義しています。いずれも、明記しない限り恣意的な基準です。

  • 52週安値からの距離が10%以下
  • 予想ではなく過去12カ月のP/Eがゼロ超、かつ15以下
  • 時価総額が100億ドル以上
  • 1日平均出来高が1,000,000株以上

最後の二つは、実際に売買が成立する銘柄に絞るための条件です。時価総額4,000万ドルで、1日の出来高が20,000株の会社なら、どのような倍率でも表示され得ます。

クエリ52週安値から10%以内、予想PER 15倍未満の大型株
各数値の背後にある正確なSQL
WITH ratios AS
(
    SELECT
        ticker,
        argMax(price_to_earnings, date) AS pe,
        argMax(market_cap, date)        AS mcap,
        argMax(average_volume, date)    AS adv
    FROM global_markets.stocks_ratios
    WHERE date >= today() - 14
      AND ticker NOT IN ('SPCX')
    GROUP BY ticker
),
band AS
(
    SELECT
        ticker,
        min(low)            AS low_52w,
        argMax(close, date) AS last_close
    FROM global_markets.stocks_daily_aggs
    WHERE date >= today() - 372
      AND ticker NOT IN ('SPCX')
    GROUP BY ticker
)
SELECT
    b.ticker                                                             AS ticker,
    round(toFloat64(b.last_close) / toFloat64(b.low_52w) * 100 - 100, 1) AS pct_above_low,
    round(r.pe, 1)                                                       AS pe_ratio
FROM band AS b
INNER JOIN ratios AS r ON r.ticker = b.ticker
WHERE r.mcap >= 10000000000
  AND r.adv >= 1000000
  AND r.pe > 0
  AND r.pe <= 15
  AND b.low_52w > 0
  AND toFloat64(b.last_close) / toFloat64(b.low_52w) <= 1.10
ORDER BY pct_above_low ASC, b.ticker ASC
LIMIT 15
Run this yourself

このパネルには、上記の基準で安値に最も近い6銘柄を表示しています。最大15行です。VICIは、過去一年間に付けた最安値を2.3%上回り、安値に最も近い銘柄です。過去の利益に基づく倍率は10.5です。パネルの反対側では、BRK.Bが安値を9.7%上回っています。

リストの順位付け方法

多くのスクリーニングが省略するのが、順位付けです。P/Eで並べると、最も割安に見える倍率が上位に来ますが、株価が値幅のどこにあるかは分かりません。安値からの距離で並べると、新安値に近い銘柄が上位に来ますが、どの程度の倍率で取引されているかは分かりません。このパネルでは、安値からの距離を昇順に並べ、次の列に倍率を表示しています。これにより、両方の情報を一行に収めています。同率の場合はアルファベット順です。複数の銘柄が同じ小数点以下の値に丸められる場合、この処理が重要になります。

再現に必要な入力は四つです。一年間を完全にカバーする日次終値、過去12カ月のEPS、時価総額の算出に使う発行済み株式数、そして平均出来高です。それ以降は引き算と割り算だけです。

該当銘柄数は基準の置き方で変わる

基準を一つ動かすだけで、リストの規模は変わります。以下のパネルでは、時価総額と流動性の下限を固定し、安値からの距離を5%から30%まで動かして、P/Eの上限を二通り設定した場合の該当銘柄数を数えています。

クエリ距離帯とPER上限の拡大に伴う条件適合大型株
各数値の背後にある正確なSQL
WITH ratios AS
(
    SELECT
        ticker,
        argMax(price_to_earnings, date) AS pe,
        argMax(market_cap, date)        AS mcap,
        argMax(average_volume, date)    AS adv
    FROM global_markets.stocks_ratios
    WHERE date >= today() - 14
      AND ticker NOT IN ('SPCX')
    GROUP BY ticker
),
band AS
(
    SELECT
        ticker,
        min(low)            AS low_52w,
        argMax(close, date) AS last_close
    FROM global_markets.stocks_daily_aggs
    WHERE date >= today() - 372
      AND ticker NOT IN ('SPCX')
    GROUP BY ticker
),
universe AS
(
    SELECT
        b.ticker                                                   AS ticker,
        toFloat64(b.last_close) / toFloat64(b.low_52w) * 100 - 100 AS pct_above_low,
        r.pe                                                       AS pe
    FROM band AS b
    INNER JOIN ratios AS r ON r.ticker = b.ticker
    WHERE r.mcap >= 10000000000
      AND r.adv >= 1000000
      AND r.pe > 0
      AND b.low_52w > 0
)
SELECT
    concat('within ', toString(cutoff), '%')      AS distance_band,
    countIf(pct_above_low <= cutoff AND pe <= 15) AS names_pe_under_15,
    countIf(pct_above_low <= cutoff AND pe <= 25) AS names_pe_under_25
FROM
(
    SELECT
        pct_above_low,
        pe,
        arrayJoin([5, 10, 15, 20, 25, 30]) AS cutoff
    FROM universe
)
GROUP BY cutoff
ORDER BY cutoff
Run this yourself

最初のパネルの基準である距離10%、P/E上限15では、大型株に該当する銘柄が合計7あります。距離を5%に絞ると、1銘柄が残ります。30%まで広げると、銘柄数は43に増えます。同じ幅でP/E上限を25に引き上げると、137になります。ここに客観的に正しい設定はありません。基準は調整可能なものであり、スクリーニングを公開する際は、どの設定を採用したかを明示するのが適切です。

52週安値は動く下限

安値そのものが動きます。52週安値はローリング方式の指標です。日付が進むと古い安値が集計期間から外れ、株価に何も起きていない日にも下限が切り上がることがあります。一つの銘柄を月ごとに追うと、その動きが分かります。以下のパネルでは、大型株の代表例であるKOについて、過去12カ月の最安値と株価を比較しています。

クエリKOの月末終値と過去12カ月安値
各数値の背後にある正確なSQL
SELECT
    formatDateTime(m, '%Y-%m')                                             AS month,
    round(toFloat64(month_close), 2)                                       AS close_price,
    round(toFloat64(trailing_low), 2)                                      AS trailing_12m_low,
    round(toFloat64(month_close) / toFloat64(trailing_low) * 100 - 100, 1) AS pct_above_low
FROM
(
    SELECT
        m,
        month_close,
        min(month_low) OVER (ORDER BY m ASC ROWS BETWEEN 11 PRECEDING AND CURRENT ROW) AS trailing_low
    FROM
    (
        SELECT
            toStartOfMonth(date) AS m,
            argMax(close, date)  AS month_close,
            min(low)             AS month_low
        FROM global_markets.stocks_daily_aggs
        WHERE ticker = 'KO'
          AND date >= today() - 1100
        GROUP BY m
    )
)
WHERE m >= toStartOfMonth(today() - 400)
ORDER BY m
Run this yourself

2026-08時点で、KOの終値は$87.71でした。過去12カ月の安値は$65.35で、安値からの距離は34.2%です。二つの価格ラインの差が、このスクリーニングで測定する数値です。安値のラインが切り上がる一方、終値のラインが横ばいなら、株価が動いていなくても測定上の距離は縮小します。

このスクリーニングが落ちてくるナイフを集める理由

仕組みは算数です。P/EのEは過去の利益に基づく数値で、会社が決算を発表する年四回に更新されます。一方、Pは市場が開いている間、毎秒更新されます。決算発表まで利益の数値が固定されたまま、四半期を通じて株価が下落すれば、それだけでP/Eは週を追うごとに低下します。最後に公表された利益の数値から株価が最も下落した時点で、その倍率は最も割安に見えます。次の決算で利益が下方修正されると、株価が下がったままP/Eは再び上昇します。実際には、割安ではなかったということです。このパターンはバリュートラップと呼ばれます。

景気循環株では、同じ指標が逆の動きをします。自動車メーカーや住宅建設会社は、利益サイクルのピークで過去12カ月のEPSが高水準になるため、過去のP/Eが最も低くなりやすい一方、底では最も高くなりやすい傾向があります。

このパターンを測定するには、過去のある時点を基準にスクリーニングを再構築し、該当したすべての銘柄を追跡する必要があります。そのためには、最新のP/Eだけでなく、各ティッカーについて、その過去時点でのP/Eが必要です。上記パネルの基礎となるstocks_ratiosの行は、ティッカーごとに最新の日付を読み込んでいます。このページでは、クエリを提示できない追跡結果の数値を付けずに、仕組みだけを説明しています。いずれにせよ、一つの開始日から作った一つの銘柄群は、単一の観測にすぎません。別の月から始めれば、数値は変わります。このリストは、今後の株価の動きについて何も主張していません。

低P/Eが示さないもの

  • どの利益を使っているか。過去12カ月のEPSには、一時的な項目、資産売却、法的和解金などが含まれます。特定の四半期に利益が一時的に膨らむと、その現金がなくなった後も一年間、P/Eは低く表示されます。
  • セクターの違い。銀行、保険会社、自動車メーカー、精製会社は、ソフトウェア会社より構造的に低い倍率で取引されます。市場全体に一つの上限を適用すると、同じ少数の業種ばかりがリストに入ります。
  • 貸借対照表。P/Eは負債を考慮しません。同じ倍率でも、財務レバレッジが大きく異なる二社は、同じ価格にあるとはいえません。
  • 赤字。利益がマイナスの会社には意味のあるP/Eがなく、ここには表示されません。リストにないこと自体が判断を示すわけではありません。

このリストと並べて見ると有用なリストが二つあります。今月の株価上昇率・下落率上位銘柄は過去一カ月に最も大きく動いた銘柄を示し、ボラティリティが最も低い株式は反対の値動きの特徴を示します。

データに関する注記と定義
  • 株価はstocks_daily_aggsから取得しています。銘柄ごと、取引セッションごとに一行あります。52週安値は、過去372日間のカレンダー日を対象に、日次安値列の最小値として算出しています。
  • P/E、時価総額、平均出来高はstocks_ratiosから取得し、ティッカーごとに最新の行を読み込んでいます。
  • 対象期間中に株式分割や大規模な特別分配があった場合、未調整の値幅が動きます。過去一年間にそのような事象があった銘柄では、確認が必要です。
  • このスクリーニングは過去の利益に基づくP/Eがプラスであることを条件とするため、赤字企業は表示されません。

よくある質問

株価が52週安値近辺にあるとは、どういう意味ですか?

現在の株価が、過去一年間にその銘柄が取引した最安値に近いことを意味します。安値からの距離は、直近終値を52週安値で割り、一を引いてパーセンテージで表します。

低いP/Eとは、どの程度ですか?

固定された基準はありません。スクリーニングでは、過去の利益に基づくP/Eの上限を15とすることが一般的です。より厳しく絞る場合は10とすることもあります。また、業種によって倍率は大きく異なるため、市場全体に一つの上限を適用すると、同じ少数のセクターばかりがリストに入ります。

52週安値近辺の低P/E株は、良い買い銘柄ですか?

このスクリーニングだけでは判断できません。このページも判断を示していません。二つの条件が示すのは過去です。すでに報告された利益一ドルに対して市場がいくら支払っているか、そして株価が一年間の値幅のどこにあるかです。いずれも、今後の動きを示すものではありません。

バリュートラップとは何ですか?

バリュートラップとは、過去の利益に基づく倍率では割安に見えるものの、下落が続く銘柄です。1株当たり利益は四半期ごとに更新される一方、株価は継続的に更新されます。そのため、過去の利益が固定されたまま株価が下落すると、P/Eは着実に低下して見えます。次の決算では、株価が下がったままP/Eが上昇することもあります。


このページの各パネルには、生成に使ったクエリが付いています。クエリを開き、P/Eの上限や安値からの距離を変更すれば、Strasmore terminal上で自分の基準に合わせてリストを再構築できます。

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