株式配当と現金配当の違いを解説
株式配当は株数と価格をどう変えるのか。現金配当との違い、配当利回りや取得原価への影響を比較し、投資判断に役立つポイントを確認できます。
株式配当と現金配当の違いは、会社から何かが流出するかどうかに集約される。現金配当では、会社の銀行口座から資金が出て、株主の口座に入る。株式配当では、何も流出しない。会社は既存株主に追加の株式を発行する。同じパイをより多くの切片に分けるため、株式数の増加割合に応じて一株当たり価格は下がる。
株式配当と現金配当:実際に変わるもの
現金配当は、取締役会が決定し、定められた日に支払う一株当たりの金額である。米国の大企業の多くは四半期ごとに支払う。支払日には資金が会社から恒久的に流出し、キャッシュフロー計算書では流出として表示される。主要な支払企業六社について、過去一年間の支払頻度を示す。
各数値の背後にある正確なSQL
SELECT
ticker,
count() AS payments_last_year,
round(sum(amount), 2) AS cash_per_share_usd
FROM
(
SELECT
ticker,
ex_dividend_date AS ex_date,
max(cash_amount) AS amount
FROM global_markets.stocks_dividends
WHERE ticker IN ('AAPL', 'MSFT', 'KO', 'JNJ', 'PG', 'XOM')
AND ex_dividend_date >= today() - 365
AND ex_dividend_date < today()
AND cash_amount > 0
GROUP BY ticker, ex_dividend_date
)
GROUP BY ticker
ORDER BY cash_per_share_usd DESC六社のうち、一株当たりの現金分配額が最も多かったのはJNJで、4回の支払日に合計$5.24を分配した。一株当たりの分配額が最も少なかったのはAAPLで、$1.05だった。一株当たりの金額は、利率として企業間で比較できない。$300の株式に対する$5の支払いは、$30の株式に対する$1の支払いより利率が低い。分母に株価を置いて計算するのが配当利回りである。
株式配当には同等の表示パネルがない。その不在自体がポイントである。資金は移転されない。会社は利益剰余金を借方に計上し、資本金を貸方に計上したうえで、既存保有株数に応じて既存株主へ新株を発行する。分配の直後も、各株主が保有する同じ事業に対する持分比率は、分配前と変わらない。
株式配当で配当利回りは上昇するか
上昇しない。一度、手計算で確認すると分かりやすい。発行済み株式数が一億株、株価が$50、時価総額が$50億、保有株数が一千株で保有額が$50,000の会社を想定する。会社が10%の株式配当を決定したとする。
- 発行済み株式数は一億株から一億一千万株に増える。
- 保有株数は一千株から一千一百株に増える。
- 事業内容は変わらず、時価総額は$50億のままで、一株当たり価格は$45.45になる。
- $45.45の株式一千一百株の価値は$50,000で、当初の金額と同じである。
- 持分比率は分配前も分配後も0.001%である。
利回りも同じ動きをする。取締役会が通常、一株当たり年間$2.00を支払っている場合、株式数の増加に合わせて配当率を約$1.82に改定し、会社から流出する現金総額を変えない。$45.45に対する$1.82は4%である。$50.00に対する$2.00も4%である。株式配当の直後に利回り表示が上昇する場合、通常は新しい株価に古い一株当たり配当率を適用しているにすぎない。
コーポレートアクションのデータフィードで株式配当がどう表示されるか
市場データベンダーは、株式分配を現金分配と同じ場所には登録しない。現金分配には一株当たり金額が付され、配当フィードに入る。株式分配には比率が付され、株式分割フィードに入る。仕組みが同じだからである。10株が11株になる取引は、11-for-10の株式分割であり、10%の株式配当を別の形で表したものでもある。そのため、株式配当を数えるには株式分割フィードを見る。米国株の十年間の株式比率に関するアクションを区分すると、株式配当規模の取引が明確に確認できる。
各数値の背後にある正確なSQL
SELECT
ratio_band,
count() AS actions,
round(avg(ratio), 3) AS avg_ratio,
round(min(ratio), 3) AS smallest_ratio,
round(max(ratio), 3) AS largest_ratio
FROM
(
SELECT
ratio,
multiIf(ratio < 1.00, 'Reverse, share count falls',
ratio < 1.25, 'Stock dividend size, 1.00x to 1.25x',
ratio < 2.00, 'Split size, 1.25x to 2x',
ratio = 2.00, 'Two for one',
'Larger than two for one') AS ratio_band,
multiIf(ratio < 1.00, 1,
ratio < 1.25, 2,
ratio < 2.00, 3,
ratio = 2.00, 4,
5) AS band_rank
FROM
(
SELECT
ticker,
execution_date,
max(toFloat64(split_to) / toFloat64(split_from)) AS ratio
FROM global_markets.stocks_splits
WHERE execution_date >= '2016-01-01'
AND execution_date < today()
AND split_from > 0
AND split_to > 0
GROUP BY ticker, execution_date
)
)
GROUP BY ratio_band
ORDER BY min(band_rank)最初の区分であるReverse, share count fallsには、株式数が増加せず減少する7771件のアクションが含まれる。表でStock dividend size, 1.00x to 1.25xと表示される区分には2300件が含まれ、旧株一株に対する新株数は平均1.04株で、最小値は1だった。これらは企業が自社発表で、株式分割ではなく株式配当またはボーナス発行と説明する比率である。
各数値の背後にある正確なSQL
SELECT
toString(toYear(execution_date)) AS year,
countIf(ratio > 1 AND ratio < 1.25) AS stock_dividend_size,
countIf(ratio >= 1.25) AS split_size,
countIf(ratio < 1) AS reverse_split
FROM
(
SELECT
ticker,
execution_date,
max(toFloat64(split_to) / toFloat64(split_from)) AS ratio
FROM global_markets.stocks_splits
WHERE execution_date >= '2016-01-01'
AND execution_date < toStartOfYear(today())
AND split_from > 0
AND split_to > 0
GROUP BY ticker, execution_date
)
GROUP BY year
ORDER BY year2025、このデータセットで直近の完了年に、米国上場銘柄では株式配当に該当する分配が185件、1.25倍以上の株式分割が239件、逆株式分割が1036件記録された。
米国の会計実務では、発行済み株式数の約25%を境に区分する。25%未満の場合、株式配当として処理し、新株の時価相当額を利益剰余金から減額する。25%以上の場合、同じ事象を額面価額による株式分割として記録する。株主から見える仕組みは、境界の両側で同じである。権利落ち日が設定され、株式数が増え、株価履歴が調整される。株式分割が保有株に与える影響ではその仕組みを説明し、株式分割後に株価は上昇するかでは、その後に生じる疑問を扱う。
米国の用語では送股と转增は何に当たるか
中国語の市場記事では、分配を英語より細かく区分する。両方を読む場合は、対応関係を整理しておくとよい。
- 股息:一株当たりに支払われる現金。米国でいう現金配当である。
- 现金分红:株主に利益を現金で分配する行為。同じ商品を指すが、より広い表現である。
- 送股:利益剰余金、つまり会社が支払わずに留保した利益から発行するボーナス株。正式な意味での株式配当である。
- 转增:利益剰余金ではなく、資本準備金(资本公积)を資本組入れして発行する新株。英語ではbonus issueまたはscrip issueが最も近い。
送股と转增は、借方に計上する純資産項目が異なる。前者は利益剰余金、後者は資本準備金である。どちらも株主が保有する事業の持分を変えない。中国上場銘柄の比率は、米国の比率よりはるかに大きい。10送10の分配では株式数が倍になり、米国の実務で株式分割と扱う境界を大きく超えるため、ベンダーのフィードでも株式分割として記録される。
取得原価:支払った金額はどうなるか
多くの税制では、現金配当は受け取った年の所得となり、株式の取得原価は変わらない。
同一種類の株式による比例配分の株式配当は、米国のルールでは通常、受け取り時の所得にならない。既存の取得原価を、増加後の株式数に配分する。仮に、$40で購入した一千株の取得原価が$40,000だとする。10%の株式配当後は、同じ$40,000が一千一百株に配分され、一株当たり約$36.36となる。売却時に課税され、新株の保有期間は通常、割当元となった株式の保有期間を引き継ぐ。
ただし、重要な留意点がある。「多くの税制では」という部分以降は、法域によって異なる。株式分配が発行時に課税されるか、税率はいくらか、外国企業による現金分配が源泉地と居住地でどのように扱われるかは、国ごとに異なる。一部の国ではボーナス株の受け取り時に課税する。処分するまで課税しない国もある。米国上場企業が米国外の株主に現金を支払う場合、資金が入金される前に源泉徴収が行われる。これは米国外投資家に対する配当源泉徴収税で扱う別の論点である。このセクションは、確認すべき質問の一覧として読んでほしい。最終的な答えは、あなたが申告する国の専門家から得るべきである。
どちらの分配を受け取るかは、同じ日程で決まる。判断するのは支払日ではなく権利落ち日であり、基準日と権利落ち日の違いで流れを説明している。
増加する現金配当の原資
一株当たりの現金配当率が上昇する方法は一つしかない。取締役会がより高い配当率を決定することである。株式数は関係しない。
各数値の背後にある正確なSQL
SELECT
toString(toYear(ex_date)) AS year,
count() AS payments,
round(sum(amount), 2) AS cash_per_share_usd
FROM
(
SELECT
ex_dividend_date AS ex_date,
max(cash_amount) AS amount
FROM global_markets.stocks_dividends
WHERE ticker = 'KO'
AND ex_dividend_date >= '2015-01-01'
AND ex_dividend_date < toStartOfYear(today())
AND cash_amount > 0
GROUP BY ex_dividend_date
)
GROUP BY year
ORDER BY yearCoca-Colaの2015の権利落ち日には、合計で一株当たり$1.32が支払われた。2025までには、4回の支払日における合計額が$2.04となった。各増額は決定された四半期配当率によるもので、株式分配によるものではない。その配当率を賄う利益の割合は配当性向で測定する。予定外の一時的な上乗せは、配当率の変更ではなく特別配当である。
よくある質問
株式配当は株式分割と同じか
仕組みは同じだが、法的には完全に同じではない。どちらも株式数を同じ倍率で増やし、株価を同じ倍率で割り、株式分割フィードに入る。違いは会計処理と規模にある。発行済み株式数の約25%未満の分配は株式配当として処理され、それを超えるものは株式分割として処理される。
株式配当で保有株の価値は増えるか
増えない。株式数が増える一方、一株当たり価格は同じ割合で下がるため、分配時点の保有ポジションの時価と会社に対する持分比率は変わらない。その後数週間の株価の動きは、事業内容に関する別の問題である。
株式配当で配当利回りは上昇するか
上昇しない。利回りは年間の一株当たり現金配当を株価で割ったものであり、株式配当では一株当たり配当率と株価が同じ割合で下がる。分配直後に利回りが上昇する場合、通常は古い一株当たり配当率を新しい株価に適用している。
株式配当に税金はかかるか
米国では、同一種類の株式による比例配分の株式配当は通常、受け取り時には課税されない。既存の取得原価をより多くの株式に配分し、売却時まで課税を繰り延べる。他国ではボーナス株の扱いが異なり、発行時に課税する国もあるため、申告先の国によって答えは変わる。
なぜ会社は現金ではなく株式配当を行うのか
株式配当なら、株主に分配日を示しながら、現金を事業内に残せる。企業は一株当たり価格を引き下げ、購入可能な投資家層を広げる目的でも利用する。
ここにある各パネルには、テーブルの下で展開できる形で、その結果を生成した正確なSQLが付いている。別の企業や別の年について同じ集計を実行するには、Strasmore terminalで質問を平易な英語で入力すればよい。